大阪市城東区｜本町｜森ノ宮｜大阪メトロ中央線沿線や深江橋駅から交通便利な心療内科 リオムメンタルクリニック

　2021年に当院で開始した「認知行動療法を基盤とした依存症集団療法（以下「集団療法」）」は、月に2回のペースで全12回を半年間で学ぶプログラムです。集団療法を開始して以来、最後まで受講される方は徐々に増えており、最新のデータでは6割強の方が最終回まで修了されています。
　最後までプログラムを受講しその後も継続的に通院している方の再発率は非常に低く、精神的にも安定した社会生活を送れる傾向にあります。

　予定通り半年間の集団療法に最後まで参加するモチベーションを維持することを目的として、2024年度より段階的に、集団療法にご参加いただく方には預かり金（デポジット）10,000円を申し受ける試みを実施することとなりました。最後まで参加することを条件に当プログラムに参加いただいていますし、最後まで参加されれば全額返金されるので経済的負担はかわりませんが、参加が途切れてしまった場合には、行動経済学の知見に鑑みて参加者が「寄付したくないところに寄付」（後述大竹教授の発案）されます。
　修了条件を満たした方には最終回に修了証を授与したり、欠席時にスタッフが連絡を入れて継続参加を促すといった従来の取り組みは継続します。

　なお大阪市内で行われている自費での依存症再発予防プログラムでは、12回30万円以上を一括で支払う所もありますが、当院での保険適応の集団療法は各種健康保険が使え、3割負担の方で総額10分の1以下に抑えられています。
　会計は毎回行いますので一括払いではありません。

　今回の預かり金（デポジット）制度導入の試みは、人間の行動は必ずしも合理的ではないという側面に注目する行動経済学の知見に基づき、院長の宮木幸一教授（東京大学）が行動経済学者の大竹文雄教授（大阪大学）の助言を踏まえて実施する、ナッジ（人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする手法）の一つとなります。再発予防プログラムを最後までプログラムを受講され、再発率リスクの非常に低い状態で精神的にも安定した社会生活を送れる方が増えることを期待しています。