大阪市城東区、本町、森ノ宮などの大阪メトロ中央線沿線や深江橋駅から交通便利なリオムメンタルクリニック

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心療内科・精神科・一般内科
宮木医院リオムメンタルクリニック
〒536-0022
大阪府大阪市城東区永田4-8-10
TEL:06-6180-4111

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用語(社会的処方)の解説

社会的処方とは

 大阪市城東区、本町、森ノ宮などの大阪メトロ中央線沿線やJR放出駅に近い当院では、「社会的処方」をキーワードとして、発達障害や依存症に対する認知行動療法を基盤とした医師・公認心理士による集団療法(保険適応)に力を入れています。

 2015年から活動を続けている非営利社団法人RIOMH(リオム)の就労支援活動の経験を活かし、障害といえないレベルの発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症など)を含め、単に病気を治療するだけでなく病気とはいえない段階から「予防」の観点を大切に、学校や職場で本来の力を発揮しやすくなるような環境調整を並行して試みるところが、当院リオムメンタルクリニックの特徴の一つです。

院長の宮木医師が診療や産業医面談時に心掛けていることの一つに「社会的処方」Social Prescribingがあります。イギリスでは社会的な孤立が大きな社会問題となっており、2018年に「孤独担当大臣」が新設されたというニュースをご記憶の方もいると思いますが、この国で注目されているのがこの「社会的処方」という考え方です。

イギリスの地域医療を担うかかりつけ医(General Practitioner, 一般家庭医やGPと呼ばれます)は、患者さんの健康や幸福度well-beingの向上のために医学的処方に加えて、患者さんを地域の活動や公的サービスに繋ぐ社会的処方の取組みを行う医師が増えつつあります(2018年の統計データでは4人に1人のGPが実践中)。例えばメンタル不調の方がいたとすると、抗うつ薬や抗不安薬を処方する代わりに(あるいはそれと同時に)地域の交流イベントや運動サークルといった活動を紹介します。患者さんがこうした活動に参加し続けることで「孤独感」が緩和され、間接的に症状改善や幸福度(well-being、カタカナでウェルビーイングということもあります)が向上することが期待されます。またこうした症状軽減により通院回数が減少し、医師の負担軽減や医療費の削減にも繋がるとされていて、注目されています。

既存の医療の枠組みでは解決が難しい問題に対して、薬を処方するだけでなく「社会的な繋がり」を処方することで社会的孤立を解消し、問題解決を図るという考え方で、「コミュニティ内の非医療的サポート資源と患者をつなぐメカニズム」とも言われます。

 この概念をわかりやすく日本語で紹介した本がなかったのですが、北海道大学の緩和ケアの先生が各地での取り組みをまとめた本が出版されていますので、ご関心のある方は参考にしてください。(日本でもこうした社会的な繋がりや孤立の解消に注目した取り組みが広がりつつあることを、知ってもらえればうれしいです。)

この「社会的処方」のパイオニアとされているのがロンドン東部にあるBromley by Bow Centreで、地域住民のQOLQuality of Life、生活の質とも訳されます)改善や地域再生のための拠点として、1980年代に教会の建物が地域に開放されました。その敷地や建物がコミュニティセンターに転換され、託児所やダンススクール、コミュニティカフェ、アトリエなどが作られてワークショップも開催されるようになり、地域コミュニティの再生モデルとして注目されるようになったといいます。

 その後も家族を支援する取り組みや、芸術・教育に関するプロジェクトが追加されていき、90年代後半にはヘルスセンターが開設されて医師による医療サービスも提供されるようになり、今日の「社会的処方」の原点となったのです。

「社会的処方」のパイオニアとされているロンドン東部にある Bromley by Bow Centre

 人々の健康や慢性疾患の自己管理能力は、「健康の社会的決定要因」Social Determinants of HealthSDHとも略されます)と呼ばれる所得水準や社会との繋がりの度合いといった社会的要因によって影響を受けることが近年わかってきており、純粋に医学的な問題の寄与する割合は半分以下という研究さえあります。

 こうした問題に薬物療法だけを行っていては効果的な改善は望みにくいですし、先進国で問題化している「孤独」の問題は解決できません。国家レベルでは医療の効率化と医療費の節減という目的にも合致しています。こうした薬だけに頼らない医療は今後ますます必要になってくると思われます。

わたしたちリオムでも、メンタルヘルス診療や就労支援の領域でこの「社会的処方」を活用しつつあり、症状を緩和する薬を処方するだけではなく、医療・産業保健・社会福祉といった複数の専門家が知恵を絞り、医師や心理士といったメンタルヘルス専門家による精神面のサポートに加え、社会的グループへの参加、体を動かすことの勧奨ときっかけ作り、金銭面の相談や学習の手助けなど、総合的に健康とwell-beingの向上を目指すことが、イギリスだけでなく現代の日本でも有意義であると実感しています。

このたび大阪に診療拠点(当院)ができることで、今まで連携してきた大阪地域職業訓練センター(A´ワーク創造館)や各種患者会、非営利団体などと情報交換・環境調整を工夫することを通して困りごとを抱える方へのサポート充実が期待されますし、患者さんや関係者の治療や環境調整の選択肢が増えることに繋がりますので、日本の「社会的処方」実践のヘルスセンターの先駆けとして私たち「リオムメンタルクリニック」が地域のお役に立てるようになれればと関係者一同願っています。

クリニック案内

アクセス

  • 電車
    大阪メトロ中央線
    深江橋駅1番出口から徒歩3分
    JRおおさか東線・学研都市線
    放出駅から徒歩15分強
  • バス
    大阪シティバス
    地下鉄深江橋(西)停留所から徒歩4分
    地下鉄深江橋(北)停留所から徒歩5分

医院名
宮木医院リオムメンタルクリニック
院長
宮木 幸一
住所
〒536-0022
大阪府大阪市城東区永田4-8-10

診療科目
心療内科・精神科・一般内科
電話番号
TEL:06-6180-4111